衆議院総選挙11日目。投票日まで、運動期間はあと1日を残すのみとなった。本日は、社民党選挙公約の「5. 平和外交で日本とアジアの平和を実現」の中で、「沖縄・南西諸島を再び戦場にするな!」という項目について詳しく述べたい。


約7年8か月続いた第二次安倍政権は、日本を再び戦争のできる国にするための準備として、秘密保護法、共謀罪、安保法制(戦争法)など、さまざまな「戦時立法」を強行成立させてきた。これらが「戦時立法」であると社民党が考えるのは、いずれも戦争状態になったときに言論・表現の自由など国民の基本的人権を制限し、交通機関や公共施設・土地の強制収容など、社会インフラを戦争体制に向けて動員するために必要となる法律群であるからだ。

とりわけ、2015年に強行成立した安保法制(戦争法)は、歴代の自民党政権ですら「憲法違反である」としてきた集団的自衛権を自衛隊に付与し、日本が直接、攻撃を受けていない状況でも、自衛隊が米軍とともに海外で武力を行使することが可能となった。これにより、自衛隊と米軍との共同軍事訓練などが日常的なものとなっている。

「戦争法」は明確に憲法違反であり、違憲裁判も行われている。「戦争法」は日本を「守る」法律ではなく、逆に悲惨な戦争に引きずり込む危険な法律であり、即時廃止すべきである、と社民党は考える。

米中の対立を背景として、今年4月17日に開かれた日米首脳会談の「共同声明」には台湾問題が盛り込まれ、台湾有事の際には日米が協力して対処することが約束された。台湾で軍事紛争が起こった場合、在日米軍基地から米軍が出撃し、これに自衛隊が軍事的に協力する、ということになれば、日本列島が戦場となる事態が現実のものとなる。

なかでも危険なのは、米軍基地が密集している沖縄だ。有事の際は沖縄の米軍基地が出撃拠点となり、それは同時に、沖縄が攻撃の標的となることを意味する。沖縄本島だけでなく、鹿児島県の奄美大島、沖縄の宮古島、石垣島など、南西諸島には、対中国を見据えた「南西諸島防衛」を理由にミサイル部隊の配備がこの間、進められてきた。これらのミサイル基地も、当然ながら攻撃対象となる。台湾有事の際に沖縄・南西諸島が戦場となる危機がまさに今、迫っているのだ。

「沖縄・南西諸島を再び戦場にするな!」という声は、辺野古の新基地建設に反対してきた沖縄の人々の民意でもある。辺野古新基地建設の現場については、90メートルもの深さに「軟弱地盤」がある辺野古の海の埋め立て・基地建設など不可能である、と専門家が指摘している。技術的に建設不可能なのに、事業者の利権のためだけに進められている埋め立て工事は、即刻やめるべきだ。

私たちの神奈川県も、沖縄に次ぐ第二の基地県であり、夜間の爆音被害など、多くの問題に直面している。社民党神奈川は、沖縄の人々のたたかいに連帯して、これからもたたかっていく。

武力で平和は作れない。平和憲法を持つ日本が取るべきは、武力で紛争を解決するのではなく、徹底した平和外交によって、他国と友好関係を築き、「攻められることのない、平和な日本」を作っていくことだ。日本を「守る」のではなく、逆に戦争に引きずり込む原因となる在日米軍基地は段階的に整理・縮小し、最終的には撤退させるべきだ、と社民党は考える。

「対米従属」から脱することのできない自公政権は、日本を戦争に引きずり込む日米安保体制の危険性に、正面から向き合うことはない。迫りくる「戦争の危機」を回避するには、政権交代が必要だ。社民党は、沖縄・南西諸島を再び戦場にしないために、全力でたたかっていく。

(2021.10.29)